レバレッジ耐性計算
期待リターンとシャープレシオを入れると、戦略の推定ボラティリティを逆算し、ケリー基準と許容できる最大ドローダウンから「レバレッジ何倍まで耐えられるか」を計算します。
損益の推移(モンテカルロ)
レバレッジ 3倍・5年・500回試行/元本=1.0倍からの資産推移
検証中の 3倍 は、計算上の「耐えられるレバレッジ」3.70倍の範囲内です。
幾何ブラウン運動を仮定した試算です。リターンの非正規性・急騰急落・スワップや手数料・実際のロスカット水準は反映していません。左の「検証するレバレッジ」を変えると、損益パスと破産確率が更新されます。
| シナリオ | 倍率 | 期待リターン | 変動(年率) | 長期成長率 | 最大DD中央値 | 50%DD超過 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| レバレッジ1倍 | 1 | 8.00% | 10.00% | 7.50% | 4.52% | 0.00% |
| ハーフケリー | 4 | 32.00% | 40.00% | 24.00% | 20.63% | 12.50% |
| 耐えられる上限 | 3.7021 | 29.62% | 37.02% | 22.76% | 18.83% | 10.00% |
| ケリー基準 | 8 | 64.00% | 80.00% | 32.00% | 50.00% | 50.00% |
| 成長率ゼロ(2×ケリー) | 16 | 128.00% | 160.00% | -0.00% | 100.00% | 100.00% |
計算の考え方
シャープレシオ S は超過リターン(期待リターン − 無リスク金利)をボラティリティで割った値なので、リターンとシャープが分かればボラティリティが一意に決まります。
- 推定ボラティリティ:σ =(期待リターン − 無リスク金利)÷ シャープレシオ
レバレッジ L をかけると、リターンもボラティリティも L 倍になります。資産の長期成長率(幾何リターン)は次の式になり、ボラティリティの2乗で目減りします。
- 長期成長率:g(L) = 無リスク金利 + L×超過リターン − ½×(L×σ)²
これを最大化するのがケリー基準 L* = 超過リターン ÷ σ² です。L が 2×ケリーに達すると成長率は無リスク金利まで戻り、それ以上のレバレッジはリターンを増やさず変動だけを増やすため逆効果になります。
「耐えられる」レバレッジの決め方
長期成長がプラスでも、途中のドローダウン(ピークからの下落)で退場しては意味がありません。正のドリフトを持つ運用では、ピークから D 以上下落する確率が
- P(最大ドローダウン ≥ D)=(1 − D)^a、 a = 2×g(L) ÷ (L×σ)²
で近似できます。このツールは「許容できる最大ドローダウン D を超える確率を、指定した割合以下に抑える」最大レバレッジを求め、それを耐えられるレバレッジとして表示します。許容ドローダウンを緩めるほど、また許容確率を上げるほど、耐えられるレバレッジは大きくなります。
モンテカルロ・シミュレーション
左の「検証するレバレッジ」を変えると、そのレバレッジでの損益パス(元本=1.0倍からの資産推移)を試行回数分シミュレーションし、グラフに重ねて表示します。あわせて、資産が0になる(強制ロスカット相当の)破産確率、許容ドローダウンを超えた割合、最終資産の分布(P10〜P90)を計算します。レバレッジ L のときは1回の急落で 1/L 以上逆行すると資金が吹き飛ぶため、レバレッジを上げるほど破産確率と最大ドローダウンが急激に大きくなる様子が確認できます。
よくある質問
- シャープレシオはどの値を入れればよいですか?
- 年率(年率換算済み)のシャープレシオを入れてください。期待リターンと合わせて推定ボラティリティが決まります。過去データから出す場合はシャープレシオ計算ツールが使えます。
- 「期待リターン」はレバレッジをかけた後の値ですか?
- いいえ。レバレッジ1倍(=元の戦略)の期待リターンを入れてください。ツールが各レバレッジでのリターン・変動・成長率を計算します。
- ケリー基準まで張ってよいですか?
- ケリー基準は長期成長率を最大化しますが、途中のドローダウンが非常に大きくなります。実務ではハーフケリー(半分)以下が目安とされ、このツールの『耐えられるレバレッジ』も通常はケリーよりかなり小さくなります。
- 結果はそのまま実取引に使えますか?
- 幾何ブラウン運動を仮定した理論計算です。リターンの非正規性、ボラティリティの変動、急騰急落、スワップ・手数料・税金、強制ロスカット水準は反映していません。目安としてご利用ください。